段ボール箱は、主として輸送包装に使用されるため、輸送・保管中に起こる様々な障害から商品を保護することを第一として、段ボールの持つ特性を十分把握した上で包装設計を行わなければならない。
本章では、段ボールの基本特性、寸法設計及び強度設計を中心に解説し、合わせて情報伝達に必要な表示や機能性段ボール、および段ボールの主な試験方法について紹介する。
本章では、段ボールの基本特性、寸法設計及び強度設計を中心に解説し、合わせて情報伝達に必要な表示や機能性段ボール、および段ボールの主な試験方法について紹介する。
段ボールとは、「波形に成形した中しん原紙の片面又は両面にライナを貼ったもの」で、その断面図は図-1に示す通りである。
段ボールの原紙について
段ボールの原紙は、ライナと中しん原紙の総称であり、経済産業省「紙・印刷・プラスチック製品統計年報」の中で表-1のように分類されている。
- 1 板紙
- 木材パルプ、古紙などを利用して製造した厚い紙の総称であり、紙質は硬く、腰が強い。段ボール原紙、白板紙などがあり、主に包装材料として使用される。
- 2 段ボール原紙
- 段ボールを製造するために用いる板紙で、ライナと中しん原紙の総称である。
- 3 ライナ
- 段ボールの表裏に用いる板紙で、用途によって外装用と内装用に分類される。外装用ライナについてはJIS P 3902段ボール用ライナに規定されている。
- 4 中しん原紙
- 段ボールの波形部分を構成するのに用いる板紙で、JIS P 3904段ボール用中しん原紙に規定されている。
段の種類について
段ボールの波形部分を構成する段(フルートともいう)は、A、B、Cの3種類の段の数がJIS Z 1516外装用段ボールで規定されている。贈答品や個装用などに利用されているE段などの高さの低い段(注:マイクロフルート)は、JISに規定されていない。
注:マイクロフルートにはE段を含めない場合もある。
段ボールの種類について
段ボールは、その構造から次のように分類されている。[JIS Z 0104段ボール用語参照]
段ボール箱は、用途によって次のように分類されている。[JIS Z 0104段ボール用語参照]